前編ではwattXplorerを利用して電力デマンドを計測する方法を解説しました。しかし、wattXplorerは電圧と力率が固定であるため、電力会社の電力メーター(以下、電力メーター)とは誤差が発生する場合があります。後編では、その誤差をできるだけ小さくする方法を解説します。
準備
以下のような方法で電力メーターの使用量を調べておきます。
- 目視確認
例)本日午前9時と翌日午前9時の電力メーターの読みの差分から24時間の使用量を求める - 電力会社の1ヶ月分の料金明細
- 電力会社が提供する使用量お知らせサービス
今回は関西電力の使用量お知らせサービスを例として、当社明石工場のwattXplorer 35台に対して精度向上対策を行った過程を解説していきます。関西電力では、高圧または特別高圧契約のユーザー向けに無料で30分単位と1日単位の使用量グラフを提供しています。30分単位のグラフがあれば一見電力デマンド監視が実現できそうですが、グラフ表示されるのは測定値確定後ですので「この30分は契約デマンドを超えそうだから節電しよう」といった使い方は残念ながらできません。


1日単位のグラフから何点か値を読み取ります。
- 1月5日 2200kWh
- 1月15日 2500kWh
- 1月20日 2520kWh
- 1月21日 2500kWh
次にWXCで同じ期間の電力量を表示させます。電力デマンド監視用のグループを設定している場合は、あらかじめそのグループのグラフを表示しておきます。下図では1月15日の24時間で期間指定をしています。この期間でのWXCの測定値は約3,063kWhです。


他の期間についても調べると下表のような値が得られました。
さらにB/Aの平均値を求めると1.231となります。
| 関西電力 (A) | WXC (B) | B/A | |
| 1月5日 | 2200kWh | 2640kWh | 1.2 |
| 1月15日 | 2500kWh | 3062kWh | 1.225 |
| 1月20日 | 2520kWh | 3187kWh | 1.264 |
| 1月21日 | 2500kWh | 3090kWh | 1.236 |
wattXplorerの固定力率を補正する
先ほど求めた平均値:1.231
wattXplorerの力率のデフォルト値:0.85
0.85 / 1.231 = 約0.69
個々の回路の力率を実際に計測すると、使用している設備やその負荷によって力率は変動しますが、全てのwattXplorerの固定力率設定値を0.69に設定することで、理論上合計値は電力メーターに近い値が得られるはずです。
wattXplorer簡易マニュアルを参考に、全フィーダーのwattXplorerの固定力率を0.69に設定しましょう。

検証する
当社明石工場で35台のwattXplorer全てに対して固定力率を変更しました(なかなか大変な作業でした)。設定完了後のとある日の30分デマンドの誤差を見てみましょう。



| 関西電力 | WXC | |
| 2026/02/19 08:00:00~08:30:00 | 120kWh | 122kWh |
| 2026/02/19 15:30:00~16:00:00 | 90kWh | 91kWh |
誤差がかなり小さくなりましたね!
実際の電力デマンド監視においてはある程度の安全マージンが必要ですので、WXCの「電力デマンド管理」画面で上記の誤差をふまえて「目標値(%)」を設定するようにしてください。
精度よくデマンド監視ができるようになったらアラートメールを設定しましょう。WXCでは3段階でメールアラートが設定可能です。アラートが発報されたら、WXCで各回路の電力使用状況を確認し、契約デマンド超過を防ぐアクションにつなげていきましょう。

