水処理施設でwattXplorerを活用し電力コストを削減

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水ing株式会社

導入前の課題~至上命題とコスト競争力の確保

1. 安定した水供給・水処理

水処理施設の運営においての最優先事項は、社会インフラとしての「安定した水供給・水処理」という至上命題です。そのためプラント運営では、安定した施設連続稼働を最上位の目標としつつも、省エネルギーも重要な課題の一つです。

2. コスト削減が「利益」に直結する市場への変化

近年維持管理事業を取り巻く環境は激変しました。ウォーターPPP(上下水道分野の官民連携)が進む中で、ランニングコストやメンテナンス費用を含む全ての維持管理業務について、受託者である私たちが総合的に計画・実行することが求められるようになったのです。

「今後は省エネもより力を入れてやる必要がある」。

この変化により、「連続安定稼働」を基礎とした上で、決められた予算の中でいかに効率よく施設を運営するか、すなわち電力コストなどを正確に把握し、運転の効率化をどれだけ図れるかが、維持管理受託者としての利益を確保する上で必須となりました。      
この新たな市場ニーズに対応するためには、電力量を計測して見積精度を高め、電力コストを下げる運転改善を進める必要があり、これらの活動が省エネと脱炭素社会への貢献にも繋がることから、消費電力算定IoT機器の選定を始めました。

導入経緯~SWaCとの連携~

1. 自社クラウドプラットフォーム「SWaC」と容易な連携

当社では、人口減少や財政的制約といった社会課題に対応するため、広域監視の実現およびデータ活用による維持管理の効率化を目的として、自社開発の情報プラットフォーム「SWaC」を構築しています。SWaCでは、現場からのデータ収集を重要な要素と位置づけており、これまで多様な IoT ゲートウェイ機器の探索・検証を行ってきました。

消費電力算定IoT機器の中で ワットエクスプローラを選定した最大の理由は、「自社クラウドと簡単に直結できてデータを収集することができる」という、当社の必須事項を満たしていた点にあります。                                 
他社のIoT機器の多くは「センサーからクラウドまで全部セット」の構成をとっているため、自社クラウドへデータ連携させるのが難しいという課題がありました。その点、ワットエクスプローラは私たちの求める接続性と柔軟性を提供してくれました。

2. コストパフォーマンスと設置拡張性

他社製品と比較検証も行っていますが、ワットエクスプローラに優位性があると考えています。他社製品には取り付けが容易な製品もありますが、製品自体の価格が高く、専用ゲートウェイが別途必要な製品もあり、今後広げていくにはコスト的に辛いと感じていました。
一方、ワットエクスプローラは製品自体がリーズナブルであり、また、専用ゲートウェイも不要で既存のルーターにも接続できるので、拡張性において大きなコストメリットがあると考えています。

現場設置~ノイズ環境下での「安定感」/セキュリティ~

1. 設定の容易さと連続計測へのこだわり

ワットエクスプローラの導入や設置は、取扱説明書を読むだけで簡単にできました。クラウドとの連携構築もトラブルは無かったので、初期導入の負担を大きく軽減することができました。

2. 盤内設置を可能にする Wi-Fi の「安心感」

水処理施設の電気室は高圧設備やインバータがあり、無線通信にとってはノイズの多い過酷な環境です。そのような環境の中で、私たちはワットエクスプローラを金属製の盤内に入れて使用しています。ルーターは盤外から数mから最大10m程度離れた場所にありますが、盤の扉を閉めても通信に問題無く、アンテナを外に出す施工も不要なのでストレス無く使っています。この通信の安定性は、特にノイズの多い環境下での遠隔監視において安心感に直結しています。他社製品では、盤内に入れると通信が切れることが何度もあり、その度に現場まで足を運んでいましたが、ワットエクスプローラの通信安定性はこの課題を解決しました。

3. セキュリティを確保する「後付け」の優位性

ワットエクスプローラは、既存の制御系に影響を与えない後付けデバイスなのも利点です 。既存の制御システムと切り離して運用できるため、万一ワットエクスプローラに支障が発生した場合においても、既存の水処理施設に対して何ら影響が発生しない、という点においても、導入を容易とする要因の一つです。

これは、当社のサービスが水道の「品質担保を補う機会」であることにも繋がっています。

データが拓く新たな維持管理~コストの可視化と末端設備監視~

1. 見過ごされていた設備の電力コストを明確に

従来のプラントではメインポンプ類には電流計がついていますが、空調や制御盤の電源といった多くの末端設備には電流計がなく、それら設備の電力量は測っていません 。プラント全体の省エネで考えると、これら測っていない設備も見える化することが重要と感じており、その点、ワットエクスプローラのような小さく安価な製品があれば、設備に気兼ねなく付けられます。全設備の電力量が見える化できれば、どこから省エネするかが明確になるので、大きな効果が出ると期待しています。

2. 遠隔監視でトラブルを未然に防ぐ

設備の稼働状況を目視確認で巡回している施設外の設備もありますが、ワットエクスプローラで電流監視できるようになれば、正常に動いていることが遠隔で確認でき、故障による被害を防ぐことができます。これは、現場担当者や自治体様にとって、安心という大きなメリットが生まれると同時に、私たちの「安定した水処理」の使命を強力に後押ししてくれると考えています。

今後の展望~AIとの連携~

私たちは特定の水処理施設にワットエクスプローラを20台程度設置して運用を開始しており、電力監視を1年間実施してデータを蓄積・分析することで、その先のデータ活用に大きな期待を寄せています。

具体的には、ワットエクスプローラで収集したデータを、今後さらなる高度な維持管理に活用したいと考えています。既に、ワットエクスプローラのデータを用いて、「データ波形が通常と違うのでなんかおかしいぞ」といった変化を運転状態異常・予兆検知システムSaiSenseを用いて検知する取り組みを検討しており、故障予知やメンテナンス時期を掴むことを目指しています。また、SWaC上で電力値、水位、流量などとの相関を分析し可視化することで 、運転効率化のさらなる糸口を見つけたいと考えています。

水ing株式会社様のご紹介

事業紹介

水ing株式会社様の経営理念は、

生命の源である「水」を通じて
いつまでも社会に貢献し続ける「ing」
持続的成長企業「水ing」


です。1931年の国産初ろ過装置納入以来培った水処理技術を基盤に、上下水道施設の設計・建設から運転・維持管理までをトータルに手掛けており、全国約300拠点の体制で、老朽化対策・人材不足への対応・災害時の迅速な支援対応といった地域課題解決に取り組まれています。

また、未来の安心を支えるためのデジタル革新を加速されており、自社開発の情報プラットフォーム「Sustainable Water Cloud® (SWaC®)」を立ち上げられました。SWaCを用いたデータの遠隔監視や、SWaC上に構築した画像認識AI「SaiIK®」や脱水設備運転支援AI「SaiCrew®」、運転状態異常・予兆検知システム「SaiSense®」などのAI機能を活用し、水処理施設のオペレーション業務を効率化・省力化するトータルマネジメントシステムを提供されています。これらの技術により、脱炭素・循環型社会への貢献を通じて、持続可能な水環境を創造し続けている企業様です。

お話しを伺った方

企画開発本部
デジタル・システムイノベーション統括部
IoT・クラウド技術部
部長 大木様(写真右)
   仁木様(写真左)

             
           水ing株式会社

           創業:1931年
           設立:1977年4月1日
           代表者:安田 真規
           所在地(本社):東京都港区東新橋1-9-2 汐留住友ビル 27F

           公式ホームページ:https://www.swing-w.com/index.html